就労移行支援の利用期間はどのくらい?平均・延長・途中退所を解説【2026年版】

こちらを見て人差し指を立ててポイントを示すようにしている女性 就労移行支援の基礎知識

「就労移行支援を使いたいけど、どのくらいの期間通えばいいんだろう……」と不安に感じていませんか?
仕事に就くための支援とはいえ、通い続けるだけの時間・体力・気力がもつか心配になるのは当然のことです。

実は、就労移行支援には制度として「利用できる期間」が定められています。
ただ、すべての人が同じペースで就職するわけではなく、利用期間の使い方は人それぞれです。
この記事では、制度上の原則から実際の平均利用期間、延長・途中退所のルールまで、まとめて解説します。

「自分にはどのくらいの期間が必要か」をイメージしながら読んでみてくださいね!

就労移行支援の利用期間は原則2年間

就労移行支援は、障害者総合支援法にもとづく福祉サービスです。
制度上の利用期間は、原則として24か月(2年間)と定められています。

この2年間は、通所開始日から数えた累計ではなく、支給決定された期間として管理されます。
支給決定はお住まいの市区町村が行い、更新のタイミングで継続が認められれば、最長2年まで利用し続けることができます。

利用期間中にできること

2年間という期間の中で、主に以下のような訓練・支援を受けることができます。

  • ビジネスマナー・コミュニケーションスキルの訓練
  • PCスキル(Excel・Word・タイピングなど)の習得
  • 体調や生活リズムを安定させる生活習慣の訓練
  • 職場見学・実習(企業実習)の機会
  • 履歴書・面接対策などの就職活動サポート
  • 就職後の職場定着支援(一般的に就職後6か月間)

2年間を通じて、就職に必要なスキルと自信を身につけていくイメージです。焦らず、自分のペースで進めることが大切です。

利用料金はかかるの?

就労移行支援は、収入に応じた自己負担があります。ただし、世帯収入が一定以下の場合は無料で利用できるケースがほとんどです。多くの利用者が無料または低負担で通所しています。費用面で迷っている方も、まずは窓口で相談してみることをおすすめします。

実際の平均利用期間はどのくらい?

「原則2年」とはいえ、実際には2年間フルで使う人ばかりではありません。厚生労働省のデータや支援現場の実態をもとに、平均的な利用期間を見ていきましょう。

厚労省データで見る就職者の傾向

厚生労働省が公表している「障害福祉サービス等の利用状況」によると、就労移行支援から一般就労に移行した人の利用期間は、平均して1年〜1年半程度というのが業界全体の目安とされています。

ただし、これはあくまで平均値です。
6か月程度で就職が決まる方もいれば、体調の安定に時間がかかり1年半〜2年かけてゆっくり進む方もいます。
「平均より遅い=ダメ」ではありません。自分の状態に合ったペースが最優先です。

障害種別による傾向の違い

障害の種類によっても、利用期間の傾向は異なります。

  • 精神障害・うつ病など:体調の波があるため、1年半〜2年かけてじっくり取り組む方が多い傾向
  • 発達障害(ASD・ADHD):スキルの習得自体は早くても、職場環境への適応に時間を要することがある
  • 身体障害:スキルや経験がある場合は比較的短期間で就職に至るケースもある

大切なのは、「平均と比べてどうか」ではなく、「自分が安定して働ける状態になっているか」です。支援員と定期的に面談しながら、自分の進捗を確認していきましょう。

利用期間を延長できるケースとは?

原則2年間の利用期間ですが、条件によっては最大1年間(合計3年)の延長が認められる場合があります。
ただし、延長は自動的に認められるわけではなく、一定の条件と手続きが必要です。

延長が認められる主な条件

  • 就職に向けた取り組みを継続しており、延長によって就職の見込みが高まると認められる場合
  • 病気や体調悪化など、やむを得ない事情で通所できない期間があった場合
  • 担当支援員・サービス管理責任者が延長の必要性を認め、市区町村に申請した場合

延長の申請は、利用者本人がするのではなく、事業所(就労移行支援の施設)が市区町村に対して行う手続きです。
「延長できるかも」と感じたら、まず担当の支援員に相談してみましょう。

注意点:延長は「保険」ではない

延長できる可能性があるとはいえ、「どうせ延長できるから」と最初から余裕を持って取り組む姿勢はおすすめしません。
制度上の2年間を有効に使い切ることを前提に、計画的に進めることが重要です。

途中退所・休所はできるの?

就労移行支援は、必ず2年間通い続けなければいけないわけではありません。
体調や事情に応じて、途中退所・休所・一時的な通所ペースの調整が可能です。

途中退所できるケース

  • 就職が決まり、就業を開始する場合(最も多いケース)
  • 体調の悪化や入院などで通所が困難になった場合
  • 事業所との相性が合わず、別の事業所への移行を希望する場合
  • 事情により就労支援自体をいったん中断したい場合

退所する場合は、担当支援員に申し出て手続きを進めます。
突然通所をやめるのではなく、事業所に相談しながら手続きを踏むことで、スムーズに退所できます。

休所(一時中断)はできる?

事業所によっては、体調悪化などを理由に一定期間の休所(利用を一時停止)に対応しているところもあります。
ただし、制度上の利用期間はカウントが続く点に注意が必要です。

「体調が不安定で通えるか心配」という方は、入所前に事業所に「体調が悪い日はどう対応してもらえるか」を確認しておくと安心です。
見学・体験の際に気軽に聞いてみましょう。

他の事業所への乗り換えは可能?

「今の事業所が自分に合わない」と感じた場合、別の事業所へ移ることも可能です。
利用期間の残日数は引き継がれるため、「乗り換えたら最初からやり直し」にはなりません。
合わないと感じたまま通い続けるよりも、早めに相談・検討することをおすすめします。

限られた期間を有効に使うための3つのコツ

2年間という期間は、使い方次第で大きく結果が変わります。
ここでは、就労移行支援を有効に活用するための3つのポイントを紹介します。

① 入所前に「自分のゴール」を明確にしておく

「なんとなく通い始めた」という状態では、2年間が漠然と過ぎてしまうことがあります。
事前に「どんな仕事に就きたいか」「働く上で大切にしたい条件は何か」を整理しておくと、訓練の方向性が定まり、モチベーションも続きやすくなります。

完全に決まっていなくても大丈夫です。
支援員と一緒に考えていくことができます。ただ、「自分はどうなりたいか」という軸を持っておくことが大切です。

② 前半は「体調と習慣の安定」に集中する

通所を開始してすぐに就職活動に焦る必要はありません。
就労移行支援の前半(目安として最初の半年〜1年)は、まず通所リズムを整えること、体調管理の方法を身につけること、コミュニケーションの練習をすることに集中するのがおすすめです。

焦って就職しても、すぐに体調を崩して退職してしまっては本末転倒です。
「土台づくり」に時間をかけることが、長く働き続けるための近道になります。

③ 企業実習・職場見学を積極的に活用する

就労移行支援では、企業での実習や職場見学の機会が用意されています。
これは非常に貴重な経験で、「実際に働く環境を体験する」ことが自己理解と就職先選びに大きく役立ちます。

「まだ早いかな」と思っていても、早めに実習を体験しておくと「自分に合う職場・合わない職場」の感覚をつかめます。
通所後半に就職活動を本格化させるためにも、前半〜中盤での実習体験をぜひ積極的に活用してください。

まとめ

就労移行支援の利用期間について、改めて整理します。

  • 利用期間は原則2年間(24か月)
  • 実際の平均は1年〜1年半程度で就職に至るケースが多い
  • 条件を満たせば最大1年の延長が可能(事業所を通じた申請が必要)
  • 途中退所・休所・事業所の乗り換えも可能(事前相談を忘れずに)
  • 有効活用するには「ゴールの明確化」「土台づくり」「実習の積極参加」が大切

2年間は決して短くありませんが、何も考えずに過ごすとあっという間に終わってしまいます。「この期間を使って自分を変える」という気持ちで、支援員と一緒に一歩ずつ進んでいきましょう。

まずは気になる事業所に見学・相談に行くことが第一歩です。無料で相談できますので、ぜひ気軽に動いてみてください。

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