「通っている就労移行支援が、正直ひどい」
「合わないと感じるけど、今さら変えていいのだろうか」
——そう感じながらも、我慢して通い続けている方は少なくありません。
就労移行支援は、いったん利用を始めると「せっかく契約したから」「今さら変えるのは迷惑かも」と、合わない事業所でも我慢して通い続けてしまう方が一定数います。
しかし、事業所選びのミスマッチを我慢し続けることは、貴重な利用期間(原則2年間)を消費するだけで、あなたにとって何のプラスにもなりません。
この記事では、「ひどい」と感じやすい事業所の具体的な特徴、実際に転所した方の体験談、そして転所の具体的な手続きの流れを、現場目線で解説します。
こんな事業所は要注意|「ひどい」と感じやすい特徴
「ひどい」という感想の背景には、いくつかの共通したパターンがあります。
以下に当てはまる項目が多いほど、転所を検討する価値があります。
- 見学時の説明と実際のプログラムが大きく違う:「IT訓練が充実」と説明されたのに、実際はWord・Excelの反復練習だけ、といったケース
- 支援員の対応が事務的・高圧的:相談しても話を聞いてもらえない、心無い言葉をかけられるなど、支援を受ける側として尊重されていないと感じる場合
- 就職実績や定着率について質問しても曖昧な回答しか返ってこない:具体的な数字や職種を示せない事業所は、実績が伴っていない可能性があります
- 体調に配慮のない出席管理をされる:体調不良で休むことへの理解がなく、無理な出席を求められる
- 就職活動の支援がほとんど行われない:訓練ばかりで、履歴書作成や面接練習などの実践的なサポートがない
こうした状況に心当たりがある場合、「自分の頑張りが足りないから合わないのだ」と自分を責める必要はありません。
事業所とのミスマッチは、あなたの努力不足ではなく、事業所選びの結果であることがほとんどです。
転所した方の体験談
実際に「ひどい」と感じる事業所から転所した方のケースを紹介します。
Eさん(20代・発達障がい)のケース
「プログラミングが学べる」という説明を受けて入所しましたが、実際の訓練内容はタイピング練習が中心で、半年経ってもプログラミングの授業は始まりませんでした。
担当支援員に相談しても「順番があるので」とはぐらかされる状態が続いたそうです。
思い切って別のIT特化型の事業所に見学に行ったところ、初回体験でPythonの基礎に触れることができ、カリキュラムの充実度の違いに驚いたといいます。
相談支援専門員に相談し、3か月後に転所。新しい事業所では当初の希望通りの訓練を受けられるようになりました。
Fさん(30代・精神障がい)のケース
体調が優れない日に休みを申し出た際、支援員から「みんな我慢して来ている」と強い口調で言われたことがきっかけで、通所そのものがつらくなってしまいました。
主治医に相談したところ「合わない環境で無理を続ける方が良くない」と助言を受け、転所を決意。
転所先では体調に応じた柔軟な通所ペースを認めてもらえ、以前より通いやすくなったそうです。「もっと早く相談すればよかった」と振り返っています。
2つのケースに共通するのは、「合わない」と感じた時点で一人で我慢を続けず、早めに周囲へ相談し行動したことです。

転所を決める前にまずすべきこと
「ひどい」と感じても、いきなり退所を決めるのではなく、以下の順序で確認することをおすすめします。
- 今の事業所の管理者に直接相談する
担当支援員との相性が問題であれば、担当変更だけで解決する場合もあります。
まずは事業所内で改善できないか相談してみましょう。 - 相談支援専門員に率直に状況を伝える
サービス等利用計画を作成した相談支援専門員は、第三者として事業所との間に入ってくれる存在です。
「合わない」と感じている具体的な内容を伝えましょう。 - 主治医に体調面への影響を確認する
通所によって体調が悪化していると感じる場合は、必ず主治医に相談してください。
無理をして通い続ける必要はありません。 - 別の事業所を実際に見学・体験する
「今の事業所がひどい」と感じていても、他と比較しないと本当に転所すべきかどうかの判断がつきません。
複数の事業所を見学したうえで判断しましょう。
見学時のチェックポイントはこちらの記事で詳しく解説しています。
転所の具体的な手続きの流れ
転所を決めた場合、以下の流れで進めるのが一般的です。
- ①現在の事業所へ退所の意向を伝える:円満に進めるため、感情的な理由よりも「訓練内容が自分の目標と合わなかった」など事実ベースで伝えるとスムーズです
- ②新しい事業所を見学・体験する:転所先を決めてから退所する順序が望ましいです。空白期間を作らないよう調整しましょう
- ③相談支援専門員にサービス等利用計画の変更を依頼する:新しい事業所名を反映した計画に更新してもらいます
- ④市区町村に変更の届出を行う:多くの場合、相談支援専門員や新事業所のスタッフがサポートしてくれます
- ⑤現在の事業所を退所し、新しい事業所での利用を開始する:利用期間は通算されるため、ゼロからやり直しになるわけではありません
転所によって利用期間がリセットされることは基本的にありません。
「今さら変えたら損」と思い込む必要はなく、残りの利用期間を有効に使うためにも、合わない環境を早めに見直すことが大切です。
一人で抱え込まず、相談できる窓口
事業所との関係で困ったとき、相談支援専門員以外にも相談できる窓口があります。
- 市区町村の障害福祉課:サービス全般についての相談窓口です
- 基幹相談支援センター:地域の相談支援の中核機関で、事業所とのトラブル相談にも対応しています
- 障害者権利擁護センター:事業所の対応に明らかな問題(虐待・不適切な対応など)を感じる場合の相談先です
「クレームだと思われたくない」と遠慮する必要はありません。
より良い支援を受ける権利は、利用者であるあなたにあります。
まとめ
就労移行支援が「ひどい」「合わない」と感じたときのポイントを整理します。
- 見学時の説明と実態の乖離、支援員の対応、就職支援の有無などが「ひどい」と感じる主な原因
- 合わないと感じても、まずは事業所内での相談・担当変更の可能性を探る
- 体調面への影響がある場合は必ず主治医に相談する
- 転所は利用期間の無駄にはならない。むしろ残りの期間を有効に使うための選択
- 一人で抱え込まず、相談支援専門員や自治体の窓口を積極的に活用する
「合わない」と感じ続けながら我慢するより、行動を起こす方が、残りの利用期間を有意義に使えます。
まずは他の事業所を見学し、比較することから始めてみてください。
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