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生活支援員はやめとけ?平均給料33.7万円の現実【2026年版】

指を指しているエプロンを着た人物 就労移行支援の基礎知識

この記事でわかること

  • 厚生労働省の調査にもとづく生活支援員の平均給与額(令和6年9月・常勤で月337,710円)
  • 「やめとけ」と言われる一方で、平均勤続年数が8.9年と長い理由
  • 同じ「生活支援員」でも事業所の種別によって仕事がまったく変わること
  • 非常勤で働く場合の実際の金額(月118,520円・実労働76.0時間)
  • 求人を見るときに必ず確認すべき3点

結論:「やめとけ」の声と、統計の数字はズレています

「生活支援員はやめとけ」と検索される方は、これから応募しようか迷っているか、すでに働いていて辞めるか悩んでいる方だと思います。先に、公的な統計が示している事実からお伝えします。

厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」によると、令和6年9月時点の常勤の生活支援員の平均給与額は月337,710円、平均勤続年数は8.9年でした。年収に換算すると約405万円です。

この数字は、同じ事業所で働く就労支援員(328,710円・勤続5.6年)を給料で約9,000円、勤続年数で3.3年上回っています。 障害福祉の従事者全体の平均勤続年数9.2年ともほぼ変わりません。「やめとけ」と言われるほど人がすぐ辞めている、という実態にはなっていません。

ではなぜ「やめとけ」と言われるのか。結論を先に言うと、同じ「生活支援員」という職名でも、配置される事業所の種別によって仕事の中身がまったく違うからです。この記事では数字と現場の両面から、その中身を分けて説明します。

私は就労移行支援事業所で支援員として働いていました(現在はITエンジニアです)。同じ事業所の生活支援員と日常的に一緒に仕事をしていた立場から、統計だけでは見えない部分もあわせてお伝えします。

生活支援員の給料:常勤で月337,710円、年収換算で約405万円

まず金額の内訳です。

項目金額(月額)
基本給210,050円
手当71,940円(うち毎月決まって支給される手当 44,210円)
一時金(月割り)55,720円
平均給与額337,710円
出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」第88表(常勤・令和6年9月)

この調査でいう「平均給与額」は、基本給に手当と一時金(賞与などを月割りしたもの)を加えた金額です。一時金があらかじめ月割りで含まれているため、12倍すると年収に相当する金額になります。これは額面であり、手取りではありません。

注意していただきたいのは、手当71,940円のうち毎月決まって支給されるのは44,210円という点です。差額の約27,000円には、時間外手当や夜勤にともなう手当などが含まれます。つまり夜勤やシフトの入り方によって、同じ職場でも手取りは変わります。安定して毎月入る金額を知りたい場合は、基本給と毎月の手当を足した約254,000円を目安にお考えください。

他の職種と比べると、生活支援員は中位より上です

同じ調査で、障害福祉の現場で働く他の職種も同じ条件で集計されています。求人票の数字を見比べるより、こちらのほうが実態がつかめます。

職種平均給与額平均勤続年数
サービス管理責任者等405,480円11.8年
従事者全体353,450円9.2年
生活支援員337,710円8.9年
ホームヘルパー335,180円7.6年
就労支援員328,710円5.6年
職業指導員296,000円6.7年
世話人270,560円7.4年
出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」第86表(常勤・令和6年9月)

生活支援員は、従事者全体の平均を15,740円下回るものの、現場職としては中位より上に位置します。職業指導員より41,710円、世話人より67,150円高い水準です。福祉の中で特別に安い職種というわけではありません。

平均勤続年数8.9年が示していること

「やめとけ」という評判を検証するうえで、給料より重要なのが平均勤続年数です。本当に続けられない仕事であれば、この数字は短くなるはずだからです。

生活支援員の8.9年は、従事者全体の9.2年とほぼ同じ水準です。就労支援員の5.6年、職業指導員の6.7年、ホームヘルパーの7.6年より長く、現場職のなかでは長いほうに入ります。調査対象となった常勤の生活支援員は4,663人と人数も多く、この数字は比較的信頼できます。

つまり「やめとけ」という声は、職種全体の実態というより、特定の環境で働いた人の実感である可能性が高いということです。 平均年齢は44.5歳で、腰を据えて長く働いている方が一定数いる職種だと読み取れます。

ただし平均勤続年数は「続けている人」の年数なので、短期間で辞めた人が母数から抜けやすい指標でもあります。この数字だけで「誰でも続けられる」と読むのは行きすぎです。次に、実際に何が「きつい」と言われているのかを分けて見ていきます。

「やめとけ」と言われる3つの理由

理由1:同じ「生活支援員」でも事業所の種別で仕事が別物です

ここがもっとも重要な点です。生活支援員は、就労移行支援・就労継続支援A型/B型・生活介護・施設入所支援・自立訓練など、幅広いサービスに配置される職種です。そして、どのサービスに配置されるかで仕事の中身がまったく変わります。

配置される事業所仕事の中心身体介助夜勤
就労移行支援・就労継続支援生活面の相談、体調・出欠の管理、通所の定着支援基本的に少ないなし
生活介護日中活動の支援、入浴・排泄・食事の介助多いなし
施設入所支援生活全般の支援、夜間の見守り多いあり
同じ「生活支援員」でも、配置される事業所によって仕事の中身が変わります

「生活支援員はやめとけ」という声の多くは、身体介助と夜勤がある職場を指しています。 私が働いていた就労移行支援事業所の生活支援員は、利用者の体調確認や生活リズムの相談が中心で、身体介助はほとんどありませんでした。同じ職名でも、応募先を間違えると「聞いていた話と違う」ことになります。

理由2:身体的な負担と夜勤の影響

生活介護や施設入所支援では、入浴・排泄・移乗などの介助が日常業務に入ります。腰への負担は現実的な問題で、体力面を理由に職場を変える方は少なくありません。

施設入所支援では夜勤も加わります。夜勤手当がつくぶん収入は上がりますが、生活リズムは崩れます。先ほど見た「手当71,940円のうち毎月決まって支給されるのは44,210円」という差は、この部分が反映された結果でもあります。求人票の月給が高い場合、それが夜勤前提の金額かどうかを必ず確認してください。

理由3:給料の上がり方が基本給に反映されにくい

生活支援員の平均給与額は、前年(令和5年9月)の317,910円から19,800円上がっています。処遇改善の効果は出ています。ただし内訳を分けると、基本給の増加は6,230円で、残りは手当(+8,790円)と一時金(+4,780円)です。

基本給は退職金の算定基礎になることが多く、住宅ローンの審査でも安定収入として見られやすい項目です。手当や一時金は事業所の経営状況や加算の取得状況で変動します。「給料が上がった」と言われたときに、それが基本給なのかを確認する意味はここにあります。

この構造は障害福祉の職種に共通していて、就労支援員でも同じ傾向が出ています。詳しい分解は就労支援員の給料は平均32.8万円|年収と職種比較で解説しています。

様々なグラフが書かれた紙の上に貯金箱がある

非常勤で働く場合は月118,520円が目安です

生活支援員は非常勤で働く方も多い職種です。同じ調査では、非常勤の生活支援員1,020人分のデータが集計されています。

項目非常勤の生活支援員
平均給与額118,520円
内訳基本給93,950円+手当15,890円+一時金8,680円
実労働日数13.4日
実労働時間76.0時間
平均年齢/勤続年数54.6歳/6.3年
出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」第87表・第89表(非常勤・令和6年9月)

月76.0時間の勤務で118,520円ですから、時間あたりに換算するとおよそ1,560円です。基本給だけで計算するとおよそ1,240円になります。これは平均値からの概算であり、実際に募集されている時給そのものではありませんが、目安として使えます。

平均年齢54.6歳・勤続6.3年という数字からは、家庭と両立しながら長く働いている方が多い職種であることがうかがえます。フルタイムが難しい場合でも、働き方の選択肢がある職種です。

求人を見るときに必ず確認する3点

ここまでの内容を、応募前のチェックリストにまとめます。

  • ① 事業所の種別はどれか。 就労移行支援・就労継続支援なのか、生活介護・施設入所支援なのかで、身体介助の量と夜勤の有無が変わります。「生活支援員」という職名だけで判断しないでください
  • ② 提示されている月給に夜勤手当が含まれているか。 含まれている場合、夜勤が月何回想定かまで確認してください。基本給がいくらかも必ず聞いてください
  • ③ 処遇改善加算をどう配分しているか。 加算の取得状況は事業所ごとに違い、同じ仕事内容でも待遇に差が出ます

この3点は、実際の求人を並べて見比べるとすぐに差がわかります。いま在籍している方も、自分の待遇が平均と比べてどうかを知っておくと判断がしやすくなります。

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この数字を読むときの注意点3つ

  • 加算を取っている事業所だけの数字です。 調査対象は福祉・介護職員等処遇改善加算の届出をしている事業所なので、加算を取れていない事業所を含めた実際の平均は、これより低くなる可能性があります
  • 事業所の種別ごとの内訳ではありません。 337,710円は生活介護も施設入所支援も就労移行支援もまとめた平均です。夜勤のある職場は平均より高く、日中のみの職場は低く出ている可能性があります
  • 額面であり、手取りではありません。 ここから所得税・住民税・社会保険料が引かれます。地域・法人の種類・事業所の規模によっても変わります

よくある質問

生活支援員になるのに資格は必要ですか

制度上、生活支援員に必須の国家資格は定められていません。ただし事業所によっては、社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士・介護職員初任者研修などを応募要件や優遇条件にしている場合があります。身体介助のある職場では、介護系の資格が実務面でも役立ちます。

生活支援員と就労支援員はどう違いますか

就労支援員は就職活動の支援(求人開拓・履歴書添削・面接同行・定着支援)が中心で、就労移行支援に配置される職種です。生活支援員は生活面の支援が中心で、配置されるサービスの幅がより広いのが違いです。給料は生活支援員のほうが約9,000円高く、勤続年数も3.3年長い結果が出ています。就労支援員については就労支援員はやめとけ?元支援員が語る転職前に知るべき5つの真実で詳しく解説しています。

生活支援員から給料を上げる方法はありますか

もっとも金額の差が大きいのはサービス管理責任者を目指すことです。平均給与額405,480円で、生活支援員との差は月67,770円、年間にすると約81万円になります。実務経験年数と研修の受講が要件になるため、在籍しながら準備を進める形になります。次に効果があるのは、処遇改善加算をしっかり取っている事業所を選ぶことです。

未経験でも生活支援員になれますか

必須資格がないため、未経験から入職する方もいます。障害福祉の分野は慢性的な人手不足が続いており、採用のハードル自体は高くありません。ただし前述のとおり事業所の種別で仕事の中身が大きく変わるため、未経験で応募する場合ほど、見学時に一日の流れを具体的に確認しておくことをおすすめします。

まとめ

  • 常勤の生活支援員の平均給与額は月337,710円(令和6年9月)、年収換算で約405万円です
  • 平均勤続年数は8.9年で、従事者全体の9.2年とほぼ同水準。就労支援員の5.6年より3.3年長く、「すぐ辞める職種」という実態にはなっていません
  • 「やめとけ」と言われる最大の理由は、事業所の種別によって仕事が別物になることです。生活介護・施設入所支援では身体介助と夜勤があり、就労移行支援・就労継続支援では生活面の相談が中心になります
  • 前年から19,800円上がっていますが、基本給の増加は6,230円で、残りは手当と一時金です
  • 非常勤は月118,520円(実労働76.0時間)。時間あたりの概算はおよそ1,560円です
  • 求人を見るときは「事業所の種別」「夜勤手当の有無と基本給」「処遇改善加算の配分」の3点を必ず確認してください

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次のステップ

出典

  • 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」第86表・第87表(職種別にみた平均給与額等・常勤/非常勤)
  • 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」第88表・第89表(職種別にみた平均給与額等の内訳・常勤/非常勤)
  • いずれも政府統計の総合窓口(e-Stat)で公開されている統計表にもとづきます。調査対象は福祉・介護職員等処遇改善加算の届出をしている施設・事業所で、令和5年9月と令和6年9月の両方に在籍している職員を比較したものです

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