この記事でわかること
- 厚生労働省の調査にもとづく、就労支援員の平均給与額(令和6年9月・常勤で月328,710円)
- その内訳(基本給・手当・一時金)と、年収に換算するといくらになるか
- 生活支援員・職業指導員・サービス管理責任者と比べて高いのか低いのか
- 前年から22,950円上がっているのに、基本給はほとんど上がっていないという事実
- 給料を上げるために現実的に取れる3つの選択肢
結論:常勤の平均給与額は月328,710円、年収換算で約394万円です
就労支援員の給料がいくらなのか、公的な統計で確認します。厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」によると、令和6年9月時点の常勤の就労支援員の平均給与額は月328,710円でした。単純に12倍すると年収換算で約394万円になります。
この調査でいう「平均給与額」は、基本給に手当と一時金(賞与などを月割りしたもの)を加えた金額です。一時金があらかじめ月割りで含まれているため、12倍することで年収に相当する金額になります。なお、これは額面(税金や社会保険料が引かれる前)の金額で、手取りではありません。
あわせて、同じ調査で就労支援員の平均年齢は43.2歳、平均勤続年数は5.6年、1か月の実労働日数は19.7日、実労働時間は154.9時間と報告されています。
内訳:基本給は22万円台、残りは手当と一時金です
328,710円という数字の中身を分けると、次のようになります。
| 項目 | 金額(月額) |
|---|---|
| 基本給 | 220,850円 |
| 手当 | 60,790円(うち毎月決まって支給される手当 46,410円) |
| 一時金(月割り) | 47,080円 |
| 平均給与額 | 328,710円 |
ここで注意していただきたいのが、手当の中には通勤手当や時間外手当(早朝・深夜・休日手当など)も含まれているという点です。つまり残業が多い月は手当が増え、平均給与額も上がって見えます。安定して毎月入る金額を知りたい場合は、基本給220,850円と「毎月決まって支給される手当」46,410円を合わせた約267,000円を目安にお考えください。
他の職種と比べると、就労支援員はどのくらいか
同じ調査では、障害福祉の現場で働く他の職種の平均給与額も同じ条件で集計されています。同じ土俵で比べられるため、求人票の数字を見るより実態がつかめます。
| 職種 | 平均給与額 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|
| サービス管理責任者等 | 405,480円 | 11.8年 |
| 従事者全体 | 353,450円 | 9.2年 |
| 生活支援員 | 337,710円 | 8.9年 |
| 就労定着支援員 | 334,570円 | 6.3年 |
| 就労支援員 | 328,710円 | 5.6年 |
| 職業指導員 | 296,000円 | 6.7年 |
| 世話人 | 270,560円 | 7.4年 |
読み取れることは3つあります。
1つ目は、就労支援員は従事者全体の平均を24,740円下回っていることです。同じ事業所で働く生活支援員よりも9,000円ほど低く、福祉の中でも高い職種ではありません。一方で職業指導員より32,710円高く、事業所内の職種のなかでは中位に位置します。生活支援員との違いは生活支援員はやめとけ?平均給料33.7万円の現実で詳しく比較しています。
2つ目は、サービス管理責任者との差が月76,770円あることです。年間にすると約92万円の差になります。福祉業界で「キャリアアップ」といえばサービス管理責任者を目指すことを指しますが、その金額的な意味がこの数字です。
3つ目は、平均勤続年数5.6年という短さです。従事者全体の9.2年を3.6年下回り、生活支援員の8.9年とも大きく開いています。ただし就労支援員の平均年齢は43.2歳で、全体の46.2歳より若いため、その分勤続年数が短く出ている面もあります。それを踏まえても、長く続ける人が多い職種とは言えません。
給料は上がっています。ただし上がったのは基本給ではありません
ここが、この記事でもっともお伝えしたい部分です。令和5年9月と令和6年9月を比べると、就労支援員の平均給与額は305,760円から328,710円へ、22,950円増えています。従事者全体の増加額19,930円を上回る伸びで、処遇改善の効果は確かに出ています。
ただし、その22,950円の中身を分けると、基本給の増加は6,110円しかありません。
| 項目 | 令和5年9月 | 令和6年9月 | 増加額 |
|---|---|---|---|
| 基本給 | 214,740円 | 220,850円 | +6,110円 |
| 手当 | 51,460円 | 60,790円 | +9,330円 |
| 一時金(月割り) | 39,570円 | 47,080円 | +7,510円 |
| 平均給与額 | 305,760円 | 328,710円 | +22,950円 |
増加額の約4分の3が手当と一時金です。これは処遇改善加算による賃金改善が、基本給ではなく手当や賞与の形で支給されている事業所が多いことを示しています。
この違いは、実際の生活に影響します。基本給は退職金の算定基礎になることが多く、住宅ローンの審査でも安定収入として見られやすい項目です。一方で手当や一時金は、事業所の経営状況や加算の取得状況によって変動する可能性があります。「給料が上がった」と言われたときに、それが基本給なのか手当なのかを確認する意味は、ここにあります。
転職や面接の場面では、「基本給はいくらですか」「処遇改善加算はどのような形で職員に配分されていますか」の2点を必ず確認してください。求人票の「月給28万円」という表記に、変動しうる手当がどれだけ含まれているかで、実質はまったく変わります。

給料を上げるために現実的に取れる3つの選択肢
① サービス管理責任者を目指す
先ほどの数字どおり、月76,770円・年間約92万円の差があります。福祉業界の中で給料を上げる方法としては、これがもっとも確実です。実務経験年数と研修の受講が要件になるため、いま在籍している事業所で経験を積みながら準備を進める形になります。
ただし、サービス管理責任者は個別支援計画の作成責任者であり、業務量と責任は確実に増えます。金額だけで判断せず、その業務が自分に向いているかを見極めてください。
② 処遇改善加算をしっかり取っている事業所に移る
この調査の対象は「福祉・介護職員等処遇改善加算の届出をしている事業所」です。つまり328,710円という数字は、加算を取れている事業所での平均であり、加算を取っていない事業所はこの集計に含まれていません。
加算の取得状況は事業所ごとに異なり、同じ「就労支援員」という職名でも待遇に差が生まれます。転職を検討するときは、加算の区分と、それが職員にどう配分されているかを確認してください。同じ仕事内容で月数万円の差がつくことは珍しくありません。
いまの給料は、平均328,710円と比べてどうですか
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自分の待遇が平均より高いのか低いのかは、実際に出ている求人を見るのが一番早い方法です。介護JJは介護・福祉分野の求人に特化したサイトです。会員登録は無料なので、自分の地域の求人がどのくらいの条件を出しているかを確認できます。
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③ 福祉業界の外に出る
基本給が年6,110円のペースでしか上がらない構造そのものを変えたい場合は、業界の外に出る選択肢もあります。就労支援員の経験は、人事・採用・人材紹介・障がい者雇用のコンサルティングなどで評価される場面があります。
どの選択肢を取るとしても、いま自分がもらっている金額がこの平均と比べて高いのか低いのかを把握することが出発点です。平均より大きく低い場合は、事業所の加算の状況を確認する価値があります。
この数字を読むときの注意点3つ
公的統計は信頼できる一方で、限界もあります。鵜呑みにしないために3点を挙げます。
- 加算を取っている事業所だけの数字です。 処遇改善加算の届出をしている事業所が対象なので、加算を取れていない事業所を含めた実際の平均は、これより低くなる可能性があります
- 常勤の就労支援員のサンプルは179人です。 職種別に細かく分けた結果なので、生活支援員(4,663人)などと比べると人数が少なく、年による振れ幅は大きめに見ておく必要があります
- 額面であり、手取りではありません。 ここから所得税・住民税・社会保険料が引かれます。また地域・法人の種類・事業所の規模によって実際の金額は変わります
よくある質問
就労支援員の年収は結局いくらですか
令和6年9月の平均給与額328,710円を12倍すると、約394万円です。この調査の平均給与額には一時金が月割りで含まれているため、12倍することで年収に相当する金額になります。ただし額面の金額であり、手取りは各種控除後の金額になります。
資格があると給料は上がりますか
社会福祉士・精神保健福祉士などの資格手当を設けている事業所はありますが、金額は月数千円から1万円程度にとどまるケースが多く、資格の取得だけで大きく変わるとは言いにくい状況です。金額面で効果が大きいのは、資格そのものよりサービス管理責任者などの役職に就くことです。
非常勤の就労支援員の給料はどのくらいですか
同じ調査に非常勤の集計もありますが、常勤の179人に対して非常勤は33人と対象がかなり少なく、他職種と比べても不自然に高い数値が出ています。信頼できる代表値として扱えないため、この記事では常勤の数字のみをお伝えしています。非常勤の待遇は求人票と面接で個別に確認してください。
これから就労支援員の給料は上がっていきますか
直近1年では22,950円上がっており、方向としては上がっています。ただし前述のとおり基本給の伸びは6,110円で、上昇分の多くは加算にもとづく手当や一時金です。制度による処遇改善が続くかどうかに左右される構造で、事業所が自力で基本給を引き上げている状況とは異なります。
まとめ
- 常勤の就労支援員の平均給与額は月328,710円(令和6年9月)、年収換算で約394万円です
- 内訳は基本給220,850円・手当60,790円・一時金47,080円で、手当には通勤手当や時間外手当も含まれます
- 従事者全体(353,450円)より24,740円低く、サービス管理責任者(405,480円)とは月76,770円・年約92万円の差があります
- 前年から22,950円上がっていますが、基本給の増加は6,110円のみで、残りは手当と一時金です
- 平均勤続年数は5.6年で、従事者全体の9.2年を大きく下回ります
- 面接では「基本給はいくらか」「処遇改善加算をどう配分しているか」の2点を必ず確認してください
次のステップ
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出典
- 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」第86表(職種別にみた平均給与額等・常勤)
- 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」第88表(職種別にみた平均給与額等の内訳・常勤)
- いずれも政府統計の総合窓口(e-Stat)で公開されている統計表にもとづきます。調査対象は福祉・介護職員等処遇改善加算の届出をしている施設・事業所で、令和5年9月と令和6年9月の両方に在籍している職員を比較したものです


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