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就労支援員を辞めたい人の転職先5つ|元支援員が解説【2026年版】

スマホを片手に考え事をしている男性 就労移行支援の基礎知識

この記事でわかること

  • 就労支援員の平均勤続年数は5.6年で、障害福祉の主要職種のなかで最も短いという厚生労働省のデータ
  • 「辞めたい」理由を〈職種が合わない〉と〈事業所が合わない〉に切り分ける方法
  • 転職先5つを、平均給与額と平均勤続年数の実数で比較した表
  • 辞めるタイミングとして年度末が有利とは限らない理由
  • 利用者さんへの伝え方と、面接で退職理由をどう答えるか

結論:辞めたいと感じるのは、あなたの弱さではありません

「就労支援員を辞めたい」と検索された方は、すでにある程度気持ちが固まっているか、そう思ってしまう自分を責めている状態だと思います。まず、公的な統計が示している事実からお伝えします。

厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」によると、常勤の就労支援員の平均勤続年数は5.6年でした。同じ調査における障害福祉従事者全体の平均は9.2年です。つまり就労支援員は、業界の平均より3.6年短く辞めていく職種だという数字が出ています。

しかも、この5.6年という数字は、後述する主要6職種のなかで最も短い値です。生活支援員は8.9年、世話人は7.4年、職業指導員は6.7年、サービス管理責任者等は11.8年ですから、就労支援員だけが明確に短くなっています。

あなたが「辞めたい」と感じているのは、あなたの適性や忍耐力の問題ではなく、この職種の構造として起きていることです。 数字の上で、あなたは多数派の側にいます。

私自身、就労移行支援事業所で支援員として働いていました(現在はITエンジニアです)。辞めるかどうかを何度も考え、実際に福祉の外へ出た立場から、統計だけでは見えない部分もあわせてお伝えします。この記事では、感情論ではなく「次にどこへ行けるのか」を具体的な数字で整理します。

なお、辞めるかどうかまだ決めきれていない段階の方は、先に就労支援員という仕事そのものを整理した記事をお読みいただくほうが順番として適切です。この記事は「辞めると決めた方が、次を選ぶため」の内容です。

最初にやること:「職種が合わない」のか「事業所が合わない」のかを切り分ける

転職先を考える前に、必ずやっていただきたい作業があります。いま辞めたい理由が、就労支援員という仕事そのものにあるのか、それともいまの事業所にあるのかを分けることです。

ここを分けずに転職すると、同じ職種の別の事業所に移れば解決したはずの問題で、キャリアごと捨ててしまうことになります。逆に、職種そのものが合っていないのに同業他社へ移ると、1年以内に同じ状態に戻ります。

次のリストで、当てはまるものを数えてみてください。

A:事業所側の問題である可能性が高いもの

  • 人員配置基準ぎりぎりで回しており、常に一人あたりの担当利用者数が多い
  • 記録・請求業務が定時内に終わらない前提でシフトが組まれている
  • 就職実績を上げるために、利用者さんの希望と合わない求人を勧めるよう指示される
  • 管理者やサービス管理責任者が現場に入らず、相談しても方針が示されない
  • 研修の機会がなく、資格取得の支援もない
  • ハラスメントがある、または見て見ぬふりをされている

B:職種そのものが合っていない可能性が高いもの

  • 利用者さんの状態が良くならないとき、自分の責任だと感じて家に帰っても切り替えられない
  • 人の感情に一日中向き合うこと自体に、体力を削られている自覚がある
  • 企業訪問や営業のように、外部と交渉する業務が強い負担になっている
  • 成果が数字で見えないこと、評価が曖昧なことに納得できない
  • 「支援する側」という立場を続けることに違和感が出てきた

Aが多い方は、転職先の第一候補が「同じ職種の別事業所」になります。 この場合、次章の比較表よりも、求人票の見方(人員配置・残業実績・就職実績)を確認するほうが優先度が高くなります。

Bが多い方は、職種または業界そのものを変える前提で考えてください。 感情労働の負荷は、事業所を変えても構造的には残ります。

就労支援員の転職先5つ|平均給与額と勤続年数で比較

ここからが本題です。転職先の候補を、印象ではなく厚生労働省の実数で並べます。いずれも令和6年9月時点・常勤の数字です。

転職先平均給与額(月額)平均勤続年数いまとの差
①サービス管理責任者等405,480円11.8年+76,770円
②生活支援員337,710円8.9年+9,000円
③就労定着支援員334,570円6.3年+5,860円
(参考)いまの就労支援員328,710円5.6年—
④介護分野(施設系)職種により異なる—求人数が最多
⑤福祉以外の業界業界により異なる—幅が大きい
出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」第86表・第88表(常勤・令和6年9月)。④⑤は同調査の対象外のため実数を掲載していません。

先に数字の限界を3つ申し上げます。 ①この調査の対象は処遇改善加算を届け出ている事業所のみなので、実際の平均はこれより低い可能性があります。②常勤の就労支援員の回答数は179件と多くありません。③すべて額面であり、手取りではありません。この3点を踏まえたうえで、相対的な比較としてお使いください。

給料の内訳をもっと細かく確認したい方は、就労支援員の給料を基本給・手当・一時金に分解した記事もご覧ください。前年から月22,950円上がっているのに、基本給の増加は6,110円だけという実態を扱っています。

①〜④のどれを選ぶ場合も、まずいまの相場を知ることから始まります。
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①サービス管理責任者|同じ法人内で月76,770円上がる可能性がある

金額だけで見れば、最も効率のよい選択肢です。就労支援員328,710円に対してサービス管理責任者等は405,480円で、差は月76,770円、年間に直すと約92万円になります。平均勤続年数も11.8年と長く、定着している職種です。

ただし、なるには実務経験年数の要件と、基礎研修・実践研修の修了が必要です。いまの職場に在籍したまま要件を満たせるのであれば、辞めずにこちらへ動くのが最も損の少ない道です。

注意点として、サービス管理責任者は個別支援計画の作成責任者であり、実地指導や報酬請求の責任も負います。現場の負担が減るわけではなく、責任の種類が変わるとお考えください。Bのチェックリスト(感情労働そのものが負担)に当てはまった方には向きません。

②生活支援員|給料はやや上、勤続年数は3.3年長い

生活支援員の平均給与額は337,710円で就労支援員を約9,000円上回り、平均勤続年数は8.9年と3.3年長いという結果が出ています。同じ法人内で職種を変えるだけで移れる場合もあります。

就労支援員との最大の違いは、「就職させる」という数値目標から離れられることです。企業開拓や定着支援のプレッシャーが辞めたい理由になっている方には、負荷の性質が大きく変わります。

一方で、同じ「生活支援員」でも配置される事業所の種別によって仕事の中身がまったく変わります。夜勤の有無で手取りも変わります。詳しくは生活支援員の給料と実態をまとめた記事で解説しています。

③就労定着支援員|経験をそのまま活かせるが、伸びしろは小さい

平均給与額334,570円、平均勤続年数6.3年。いまの経験を最もそのまま持ち込める職種です。就職後の定着支援に業務が絞られるため、送り出しまでの全工程を担う就労支援員より業務範囲は狭くなります。

ただし給与差は月5,860円で、勤続年数も6.3年と就労支援員に近い水準です。「辞めたい」の理由が待遇である場合、この移動では解決しない可能性が高いとお考えください。業務範囲を絞りたい方向けの選択肢です。

④介護分野|求人数が最も多く、福祉の経験がそのまま評価される

デイサービス、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホームなどです。選択肢の数が他と比べものにならないほど多いことが最大の利点で、地域や勤務形態の希望を通しやすくなります。

就労支援員としての経験は、個別支援計画の作成、記録の作法、家族対応、多職種連携のいずれもそのまま評価されます。福祉の外へ出るより、書類上のブランクが生じにくい選択肢です。

正直に申し上げると、身体介助の比重が上がるため、体力面の負荷は増える傾向があります。逆に言えば、感情の調整役という負荷は減ります。Bのチェックリストで「人の感情に一日中向き合うのがつらい」に当てはまった方には、実は相性がよい方向転換です。

⑤福祉以外の業界|私が選んだ道と、その現実

私自身はここを選び、現在はITエンジニアとして働いています。率直に申し上げて、最も自由度が高く、最も準備が必要な選択肢です。

就労支援員の経験が比較的通用しやすいのは、人材紹介会社のキャリアアドバイザー、企業の人事・障害者雇用担当、特例子会社の職場定着担当あたりです。「人の就職を支援した経験」がそのまま職務経歴になるためです。

一方、私が選んだIT職のように業界ごと変える場合は、スキルの証明を自分で用意する必要があります。福祉の実務経験は人柄の裏づけにはなりますが、技術職の採用可否は別の基準で判断されます。在職中に学習期間を確保することを強くおすすめします。

年収は上がる可能性も下がる可能性もあります。「福祉を出れば給料が上がる」という前提だけで動くのは危険です。

福祉の外に出る場合、いちばん難しいのは「自分の経験が他業界でいくらに評価されるのか」が自分では分からないことです。
ここは無料の転職エージェントに一度聞いてしまうのが早いです。年齢によって向く窓口が違うため、2つに分けてご紹介します。

▼ 20代の方(既卒・第二新卒・社会人経験が浅い方)

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辞めるタイミング:年度末がベストとは限りません

福祉業界では「年度末(3月)に辞めるのが筋」という空気があります。利用者さんの支援計画が年度で区切られるため、確かに引き継ぎはしやすくなります。

ただし、転職する側にとって3月が最善とは限りません。 理由は次の3つです。

  • 求人が動く時期とズレる:福祉・介護の求人は年度末に向けて増えるため、1〜2月に応募活動をしていないと3月退職に間に合いません
  • 賞与の支給日を確認していない:多くの事業所で賞与は6月・12月です。3月退職は直前の賞与を受け取ってから半年近く働いた分が反映されない場合があります
  • 年度末は引き継ぎ業務が最も重い:個別支援計画の更新、実績記録、モニタリングが集中する時期に、自分の転職活動を並行させることになります

実務上おすすめしたい順序は、「賞与の支給日を就業規則で確認する → その直後を退職希望日に設定する → 逆算して2〜3か月前から応募を始める」です。退職の申し出は民法上は2週間前で足りますが、就業規則で1〜2か月前と定めている事業所が多いため、必ず就業規則を先に確認してください。

利用者さんへの伝え方|支援職特有の、いちばん重い部分

一般企業の転職と決定的に違うのがここです。担当していた利用者さんに、自分がいなくなることをどう伝えるか。 これが後ろめたくて辞められない、という方を何人も見てきました。

実務として押さえておきたい点を挙げます。

  • 自分から直接伝える前に、必ず管理者・サービス管理責任者と伝え方を相談する:伝える順序とタイミングは事業所全体の判断事項です。個人で先走ると利用者さんの動揺が大きくなります
  • 理由を詳しく話さない:「一身上の都合で」で構いません。待遇や人間関係を具体的に伝えると、利用者さんが自分のせいだと受け取ることがあります
  • 後任を必ずセットで示す:「私は〇月でいなくなりますが、△△さんが引き継ぎます」と人の名前まで出すことで、不安が実務的な話に変わります
  • 最後の日を明確に伝える:曖昧にすると、かえって長く引きずらせてしまいます

そのうえで申し上げたいのは、支援者が疲弊したまま残ることは、利用者さんにとっても最善ではないということです。判断の質が落ちた状態での支援は、続けるほど双方にとって不利益になります。辞めるという判断は、無責任さの表れではありません。

面接で「なぜ辞めたのか」をどう答えるか

ほぼ確実に聞かれます。ここで前の職場の批判をすると、業界が狭いこともあり一気に不利になります。

使える型は「事実 → 自分がやったこと → 次に求めるもの」の順です。

本音面接での言い換え
担当が多すぎて回らなかった一人あたりの担当数が多く、一人ひとりに割ける時間に限界を感じました。体制の整った環境で支援の質を上げたいと考えています
就職実績のプレッシャーがきつい短期の就職実績が優先される場面があり、利用者さんの希望とのバランスに悩みました。定着まで見届けられる職場を希望しています
給料が低い長く続けることを前提に、キャリアパスと評価制度が明確な職場を選びたいと考えました
人間関係が原因チームで方針を共有しながら支援する進め方に魅力を感じ、そうした体制の職場を探しています
※事実を曲げる必要はありません。同じ事実の、前向きな側面を選んで話すという考え方です。

加えて、就労支援員の経験は数字で語れる部分が意外と多いです。担当した利用者数、就職に至った件数、定着期間、企業開拓の訪問件数。これらを事前に書き出しておくと、抽象的な「利用者に寄り添いました」から一段抜け出せます。

辞めない選択:事業所を変えるだけで解決する場合もあります

冒頭のチェックリストでAが多かった方に、もう一度お伝えします。就労移行支援事業所の運営品質には、想像以上の開きがあります。

厚生労働省の資料では、一般就労への移行率が0%の事業所が3割弱存在する一方、移行率20%以上の事業所が51.9%を占めるという結果が出ています(平成28年4月分・厚生労働省障害福祉課調べ)。同じ制度の同じサービスでありながら、実態は別物と言っていい差です。

基本報酬も、就職後6か月以上の定着率に応じて7段階に分かれています。この区分は事業所が国に報告しているものなので、面接や見学の場で聞けば必ず答えられます。 「御社の基本報酬区分はどちらですか」と一言聞くだけで、その事業所が実績を出せているかがわかります。

同じ職種の別事業所へ移る場合、求人票で確認すべきは次の3点です。

  • 基本報酬の区分(=就職後の定着実績。7段階のどこか)
  • 支援員一人あたりの担当利用者数(配置基準ぎりぎりかどうか)
  • 直近1年の職員の入れ替わり人数(答えを渋る場合は、それ自体が答えです)

よくある質問

Q. 勤続1年未満でも転職できますか

できます。ただし短期離職の理由は必ず聞かれるため、前章の言い換えの型を準備してください。福祉・介護分野は慢性的な人手不足であり、経験年数よりも「続けられる環境かどうかを自分で見極めようとしているか」を見られる傾向があります。

Q. 資格がなくても転職先はありますか

あります。就労支援員自体に必須資格はなく、実務経験が評価の中心です。ただし介護分野へ移る場合は介護職員初任者研修があると選択肢と給与が明確に広がるため、在職中の取得をおすすめします。

Q. 有給が残っていますが、消化してから辞められますか

年次有給休暇の取得は労働者の権利です。ただし人員配置基準がある事業所では、退職日直前にまとめて取得すると現場が回らなくなる場合があります。退職日を伝える段階で、有給消化の希望もあわせて相談するのが現実的です。

Q. 転職先が決まる前に辞めても大丈夫でしょうか

心身の不調が出ている場合は、先に離れる判断が正しいこともあります。ただし在職中に応募したほうが条件交渉で有利になるのは事実です。体調に問題がなければ、在職中に求人を見始めることを強くおすすめします。 求人を見るだけなら、いまの職場を続けながらでもできます。

まとめ

  • 就労支援員の平均勤続年数は5.6年で、障害福祉の主要職種で最も短い。辞めたいと感じるのは構造的なことです
  • まず「職種が合わない」のか「事業所が合わない」のかを切り分ける。ここを飛ばすと転職が無駄になります
  • 金額だけならサービス管理責任者が最大(月+76,770円)。勤続年数の安定なら生活支援員(8.9年)
  • 選択肢の多さでは介護分野が突出しています。福祉の経験がそのまま評価されます
  • タイミングは年度末ありきで決めず、賞与の支給日から逆算する
  • 利用者さんには理由を詳しく話さず、後任の名前とセットで伝える

疲れきってから動くと、選ぶ余裕がなくなります。辞めると決めた日ではなく、迷い始めた日から求人を見ておくことが、結果としていちばん条件のよい転職につながります。

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なお、辞めるかどうかまだ決めていない段階の方は、就労支援員という仕事の全体像を整理した記事を先にお読みください。給料の詳しい内訳は就労支援員の給料を分解した記事、生活支援員への転職を具体的に検討される方は生活支援員の実態をまとめた記事が参考になります。

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